志立たざるは、天下成るべきの事無し。
これは、王陽明が弟にあてて書いた『示弟立志説』の冒頭の下りである。
文章内容から王陽明の志とは聖人になるための志、ということになるが、この文章は普遍的な意味もあると思う。
すなわち、自分流で解釈すれば、「夢や希望や目標を立てろ、それがなければ世の中なにも達成できないぞ。」
ということになる。
これを最初に読んだのは高校3年の時、受験勉強そっちのけでいろいろ本を読み漁っていた時である。本は図書館で借りた。原本が欲しくて王陽明全集の1「伝習録」を本屋で注文した。当時の高校生からしたら高額な本だったことを記憶している。届いて中身を確認したら、この『示弟立志説』が掲載されておらず、がっかりした思い出がある。仕方ないので、冒頭の文を墨で書いて大切に保管していた。
経営者に対しても、非常に示唆的な言葉である。
「経営理念やミッション、それに基づく経営計画がなければ、経営は成功しないよ。」と言っているように聞こえる。